CocoonをSWELLに変更するとどうなる?

雑誌広告のデザインではTAC値を確認し、インキの総使用量を制限内におさめましょう

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WEBや会社案内パンフレット等の仕事ばかりやっていると、印刷インクの量など、念頭から抜け落ちてしまいます。

そのようなおり、雑誌広告の企画デザインを久しぶりに受注することになりました。

雑誌広告では、様々な制約が多く今回の「TAC値」も、その一つです。

そもそも「TAC値」とはなんでしょう?

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TAC値とは

「TAC値」とは印刷におけるインクの総量のことをいいます。

印刷の場合、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)4色ののインクの掛け合わせ表現なので、最大400%です。

パンフレット等のデザインで「TAC値」が問題になることはほとんどありません。

しかし、雑誌となると「TAC値」に制限が設定されています。

インキの量が多すぎると紙が汚れやすく、印刷品質に問題が出るためです。

今回、私が制作した広告については「TAC値」を320%以内に抑えるという規定が設けられていました。

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Adobe Bridgeでカラー設定を同期する

まず、雑誌広告のデザインを行う際にはカラー設定を「日本 – 雑誌広告用」にします。

Adobe Bridgeを起動し、「編集」→「カラー設定」でカラー設定パネルを表示します。

Adobe Bredge カラー設定

ここで、「日本 – 雑誌広告用」を選択し適用します。

Adobe Bridgeのカラー設定を行うと、Adobeのデザイン用のアプリケーション(IllustratorやPhotoshop等)は全てカラー設定が同期されます。

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雑誌広告のデジタル原稿作成

出典:https://www.3djma.jp/

雑誌広告の制作方法については「雑誌広告出来たる送稿主審協議会」が運営する「雑誌デジ送ナビ」に詳しく説明があります。

アウトプットはPDFデータです。

私の場合、IllustratorとPhotoshopを使ってデザイン、制作します。

雑誌広告が会社案内等のデザインと異なるの「J-PDF設定ファイル」を使ってPDFを出力したり、PDFをチェックしたりする点です。

「雑誌デジ送ナビ」の原稿制作方法のページから「JMPAカラー準拠PDF制作ガイド(pdf)」がダウンロードできますので、雑誌広告の制作方法を参照してください。

また、「JMPAカラー準拠PDF設定/プリフライトプロファイル(zip)」もダウンロードできます。

IllustratorにPDF設定を読み込み、デザインデータをPDF出力

IllustratorでJMPAカラー準拠のPDFを制作するためにはIllustratorにダウンロードしたPDFプリセット(.joboptions)を読み込ませます。

また、Acrobatでプリフライトを作成するためにAcrobatにプリフライトプロファイル(.kfp)を読み込ませます。

手順は以下の通り。

IllustratorにPDFプリセットを読み込ませる。

編集→Adobe PDF プリセット→読み込みでPDFプリセット(.joboptions)を指定します。

Illustrator Adobe PDF プリセット
プリセット読み込み

PDF出力

PDFプリセットを読み込んだら、デザインデータをPDFとして出力します。
その際、Adobe PDF プリセットは、読み込んだPDF設定に指定します。

PDFの出力

Acrobatにプリフライトプロファイルを読み込み、デザインデータをチェック

デザインデータをPDF出力したら、Acrobatでチェックします。

Acrobatにプリフライトプロファイルを読み込ませる

まず、Acrobatにプリフライトプロファイル(.kfp)を読み込ませます。

「編集」→「プリフライト」をクリックします。

Acrobatにプリフライトを設置

表示されたプリフライトウインドウの「オプション」をクリックし、「プロファイルを取り込み…」をクリックします。

ここで、ダウンロードしたプリフライトプロファイル(.kfp)を指定します。

プリフライトを取り込み

デザインデータPDFをチェック

デザインデータをAcrobatでオープンします。

先ほど、プリフライトプロファイルを読み込みましたので、「編集」→「プリフライト」をクリックすると以下のような状態のウインドウが表示されます。

プリフライトをチェック

「解析」をクリックするとデータのチェックが開始されます。

正常データの場合

正常の場合、チェック結果は以下のようになります。

ウインドウ下部の「レポートを作成」をクリックすると提出用のプリフライトレポートを作ることができます。

プリフライト正常

TAC値エラー

フォントがアウトラインされていない、画像がCMYKに分解されていない、オーバープリントが指定されていない等、様々なチェックエラーが表示される場合があります。

問題のTAC値エラーになると以下のような表示です。

プリフライトTAC値エラー

TAC値の確認方法

Acrobatを使えばデータのどの部分がTAC値制限を超えているか、チェックすることができます。

AcrobatでデザインデータPDFをオープンし、「ツール」→「印刷工程」→「出力プレビュー」でチェックします。

出力プレビュー

出力プレビューのウインドウが出たら「領域全体カバー」にチックを入れ、数値にTAC値の限界値をいれます。

今回の規定は320%なので321%にします。

領域全体カバー

結果は以下のようにTAC値オーバーした箇所が緑色に表示されます。

TAC値オーバー

Adobe CCでは雑誌広告用のカラープロファイルを設定していれば、プリフライトでエラーが出ることはないと思います。
しかし、出力プレビューで確認すると緑色の部分が点在することがあります。

このような場合も踏まえて、かならず「出力プレビュー」でチェックしましょう。

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PhotoShopでTAC値を下げる

TAC値でエラーとなるのはデザインに使用した画像によるものです。
そこで、Photoshopで画像を修正して対応します。

以下の2通りの対応方法があります。

TAC値を下げる方法
  1. RGBの元データから画像データを作り直す
  2. CMYKに分解された画像データを修正する

カラー精度を考えると、RGBの元データがある場合はRGBデータから作業した方がよいでしょう。

RGBの元データから画像データを作り直す

「編集」→「カラー設定」をクリックします。

Photoshopのカラー設定

「作業用スペース」の「CMYK」を「カスタムCMYK」に設定します。

「カスタムCMYK」ウインドウが表示されたら「インキの総使用量の制限」を制限内(この場合は310%)にします。「OK」をそれぞれクリックして設定を反映させます。

インキの総使用量の制限

CMYKに分解された画像データを修正する

「編集」→「プロファイル変換」をクリックします。

プロファイル変換

「変換後のカラースペース プロファイル」を「カスタムCMYK」にします。

「カスタムCMYK」ウインドウが表示されたら「インキの総使用量の制限」を制限内(この場合は310%)にします。「OK」をそれぞれクリックして設定を反映させます。

インキの総使用量の制限

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まとめ

PDFによるデータ入稿はとても便利です。

しかし、最終印刷工程の品質を確保するために、様々な規定が設けられています。

作業が繁雑で、時間が経つと忘れてしまうこともしばしばでしょう。

このページでTAC値についてまとめましたので、雑誌広告デザインの際には再確認したいものです。

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lin記事を書いている人
はじめまして。「lin」です。クリエイティブディレクター兼グラフィックデザイナーとして活動しています。おかげさまで、キャリア25年以上になりました。「Theme3」は、私が企画デザイン事務所スラッシュディーの仕事で得たノウハウを公開します。
※以下は私が活動している企業情報にリンクしています。